努力について


こんな時間に~。
ずっとずっと書きたかったこと。

脳性麻痺者である私が、このブログを見て下さる皆さんと一度は考えたい『努力について』。
伝わるかどうか自信はないのですが、私なりの考えを記載してみます。

私が努力について考えた場合、「実にならない努力ほど無駄なものはない」と思っています。断言してしまうと賛否両論ありそうですが、私が上記のような考えを持つのは、私が脳性麻痺者として生きてきたからこそだと思っています。
もちろん努力は大切です。全ての努力が成果には繋がらないにしても、必ず何らかの成長には繋がるからです。しかし、努力にも努力の時期と方法があると思うのです。

私の場合、物心付いた時から、一日一日に努力努力の連続でした。そうした毎日から、今でも「無理をしない」ということができない性格です。
だからこそ「ただ、がむしゃらに!」ではなく、努力の種類について考えてみると、そこには『省くことのできる努力』と『必要な努力』があると思っています。
本当は、「障害者こそ人生の節目で通るべき『必要な努力』に時間を割くべきだ」と思っているのですが、私は昔から、周囲に追いつくための『省ける努力』に必死だったのです。

例えば、周囲の友人に歩くスピードを合わせるために、なりふり構わずに急ぎ足で歩くこと・授業中のノートテイクのスピードが遅く授業中だけでは間に合わないので、とりあえず殴り書きをして帰宅後に清書をすること・体育の授業や体育祭、林間学校などで友人たちと同じ内容をこなすこと・仕事の処理が間に合わず、毎日サービス残業をしたり休日も仕事をすること。
よくよく考えてみれば、これらの努力は普通、『省ける努力』なのです。

しかし、障害のために、何をするにもどうしても周囲からは遅れてしまいがちです。だから周囲に遅れないように、周囲に「出来ていない」と言われないように、ついつい、「無理」という過剰な努力をしてしまいがちです。

私は学生時代は「私は周囲よりも抜きん出た努力をしている」と思っていました。しかしよくよく考えてみれば、それらは全て「やって当たり前」であり、「できて当たり前」のことなのです。
だから、長年私がやってきたと思っていたことのほとんどは努力ではなく、やっと健常者と同じスタートラインに並んだだけ。本当の努力はそこから始まり、そこから結果を出せるようにしなければならないのです。

周囲に追いつこうとしている時点で既に人一倍努力をしているのに、脳性麻痺者が周囲を超えて他者からも認められる結果を残すためには、「一体、人の何倍の努力をしなければいけないんだろう?」と思ってしまうのですが…。

でも、本当の努力とは、これで良いのでしょうか?

私は、「周囲に追いつくための『省ける努力』に対して力を注ぐよりも、人生の節目での変化にどう対応するかを考える、『必要な努力』に対して時間を割くべきだ」と思っています。

『必要な努力』とは、進級・進学・就職・(転職)・(恋愛)・(結婚)・(出産)などの人生の転機への準備をすること。障害者の場合、健常者に比べて人生の節目に様々な問題が立ちはだかり、解決には時間が掛かります。
しかし、そうした 『必要な努力』を考える時には、『省ける努力』で全ての持てる力を発揮しきっている本人が既に疲れていることもあり、自由に動ける身体がないということもあります。

「脳性麻痺者は、人の2倍の時間とエネルギーを使って歩いても、人の2分の1しか進んでいない」という記載を見たことがあります。

遅い動きで一見体力がないと見られてしまいがちな脳性麻痺者ですが、健常者では相当疲れてしまうような量を動いても脳性麻痺者はそれほど疲れていないというように、元々のエネルギーの使い方が健常者とは異なるようです。
だからこそ無意識に無理をしやすいし、本人も気づかない『省ける努力』の連続で、相当の疲労が蓄積している。

確かに、努力しているからこそ見えてくるものや努力しないと掴めないものは沢山あります。そして、幼少期からの努力の連続が私をより一層打たれ強くし、ちょっとやそっとのことでは諦めない、意志の強い心を育んでくれたことも確かです。
でも、早くから身体を壊すことなく人生を全うするためにも、「努力する箇所と方法を考える」ことが大切だと思うのです。


[PR]
by ayanonano | 2015-05-06 01:05 | 脳性麻痺のこと | Comments(2)
Commented by N at 2015-05-09 20:56 x
小学校高学年~運動会や体育祭で行われるダンスは、もしかしたらマラソン大会以上に嫌だったかもしれません。マラソンも嫌でしたが個人競技です。ダンスは揃えるからキレイに見えるもの。速さについていけないことがありました。だからといって振り付けが変わるわけもなく…。練習の時に近くで見ていた先生に「遅いっ!!」と言われた記憶だけは残っています。今、私が困っている事は習い事の書道です。自覚はないのですが(自覚なしに手に力が入るようで)、先生に「力が入ってるよ」なんて言われる事が多々あります。受け入れる他ないかな~と思っています。また、仕事ではマウスのクリックなんかが強いみたいです。
仕事のペースも遅いです。
Commented by ayanonano at 2015-05-15 14:10
>Nさん(返信遅くなりすみません)

体育・運動会のダンス・組体操等々…。
貴重で大切な経験と言えば確かですが、今思えば「無理に周りに付いていくこと」が早期からの体調の変化に繋がっている気がしてしまいます^^;
手の痙縮ですか。「握りこむ」ほうではなく、力を「抜く」ほうに意識できたら良いですね^^