「脳性麻痺者は寿命が短い」と言われることへの私の考え


「脳性麻痺者の寿命は短い」という議論について、持論を記載します。

  脳性麻痺者の二次障害を考える時の医学的なポイント
1. 脳性麻痺者の寿命の問題
2. ADL低下の問題(以前は出来ていたことが出来なくなる)
3. 痛みの問題(急性疼痛・慢性疼痛)

脳性麻痺者の二次障害について調べていた何年も前、脳性麻痺者の寿命の問題についての記載を見たときは、びっくりしました。
「脳性麻痺者は総じて正常成人より寿命が短い」と書いてあるのです。

なぜそう言われてしまうのか?

〈軽度~中程度障害者〉
・独歩や杖歩行で日常生活における転倒の危険が高まる。首を打って頸髄症になった場合はそのまま寝たきりになる分、寿命を縮める可能性がある。
・独歩や杖歩行で日常生活における転倒の危険が高まる。頭を打った場合、寿命を縮める可能性がある
・独歩や杖歩行で出歩く分、交通事故に合う確率が増え、寿命が縮まる可能性がある
〈重程度障害者〉
・身体機能(内部)が未熟であったり低下があると、短命化に繋がる可能性がある
・身体機能(外部)が未熟であったり低下があると、短命化に繋がる可能性がある

これらの理由がそう言われる所以だと解釈しました。どう思いますか?

二次障害が不安で仕方ない方は見ないほうがいいかもしれないです。

でも、過去に二次障害について調べ倒し、今はどんな情報も距離を取ってある程度俯瞰して見ることができる私からすれば、驚かないことです。

冷静に考えてみれば理にかなったことを言っていますし、逆を言えば、可能性は脳性麻痺の有無に関わらず誰にでも当てはまる内容です。

だから、それについては何も言えないです。

そもそも「生・死」というのは個人の倫理観もあるので、それ自体の議論は難しいものです。
寿命が長い短いの感覚も人それぞれですし、障害があれば尚、敏感になるのはよく分かります。

話はちょっと変わりますが、私は、「母方の実家には『68歳の壁』があるのではないか」と思っています。

私の母方の曾祖母は、68歳で亡くなりました。私の母方の祖父は68歳で糖尿病を発症しました。祖父の弟は、病気のため68歳でこの世を去りました。
特に68という数字に因縁があるわけでもなく、私が勝手に「老後を健康に生き続けられるかどうかは、60代後半の身体状況に関係しているのではないか」と解釈していました。
祖父の体質を受け継いでいるのは私の母なので、笑い話で『68歳の壁』の話をすることがあります。母は今53歳ですから、『68歳の壁』が本当にあるとすれば、あと15年ということになります。

糖尿病を持病として抱えるものの、家系の影響を全く受けていような程元気な祖父は、今年、胃癌を発症しました。
癌家系でもないし健康体だったのに癌だと聞いた時は驚きましたが、1週間程の入院で腹腔鏡にて胃を切除した以外は、抗癌剤も放射線治療もせずに済みました。
術後の検査で肺に影があるとのことで新たな癌も気になりましたが、相変わらず元気に過ごしています。
68歳の壁を越えてくれたのだから、「たとえ癌になったって、この先も大丈夫なんだろう」という思いを漠然と持っています。

私の場合も、神経内科の医師に「もしかしたら何度か脳梗塞の前触れを起こしたのでは?」と言われたことがありますが、今も生きています。
「今後てんかんを起こすかもしれない」と言われたこともありますが、そうなればまた、日常生活における事故の危険も増えるのでしょう。

明日私が交通事故に巻き込まれたり事件に巻き込まれる可能性も同様にあるわけで、未来を予測したら不安は尽きません。

だけどその一つ一つを冷静に見た場合は、「寿命のことは分からない」という結論に辿り着くと思うのです。

もちろん医学の情報は大切です。そして、脳性麻痺者として医学の情報や知識を得ることも、とても大切です。
でも、その情報に確実な信憑性があるのか、その情報が常に自分を支えるものになるのかとは、別の問題です。


誰しも先のことは分からない。

だったら、何人にも平等に与えられている今を、全力で生きよう。そう思うのが、私の『脳性麻痺者の寿命』に関する、現時点での結論です。


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by ayanonano | 2014-11-09 16:53 | 脳性麻痺のこと | Comments(2)
Commented by 森紀美代 at 2014-11-13 09:33 x
おはようございます。


あやのさんの想いよくわかります。

脳性麻痺に限らず、だれにでも言えることだと思います。

私もそうなんだぁ~っとしか思わないです。

それならそれで今できることをやっておかないと…っと。

何年か前にもドクターから、やりたいことがあったら早くやっておいた方がいいよって言われたから、できなくなっていくのが早いのだろうなぁ~って思っていました。

今をどう生きるかですよね。
Commented by ayanonano at 2014-11-18 17:04
>紀美代さん
今をどう生きるのか
今の医学で脳性麻痺完治は難しいにしても、
今をどう過ごすのかという視点で変えられる未来もあるはずだと考えています。
お互いに諦めず素敵な人生を描き、そして実際に素敵な人生を歩んでいきたいですね!